ROBOTICS;NOTES 感想 【ネタバレ有】

前2作(カオヘ、シュタゲ)プレイ済み。

  • シナリオ

序盤はロボロボしつつも、最終的には300人委員会と戦うことになるいつもの科学アドベンチャーシリーズ。ロボロボしたものを期待すると肩透かしを食らうかも。
カオスヘッドで出てきた兵器・理論が出てきたり、シュタゲのキャラが出てきたりするので、前2作は事前にプレイしておいた方が楽しめる。カオスヘッド絡みが若干多かった印象。
シナリオに関しては、まず導入がかったるい。序盤はあき穂と海翔がダラダラしてるだけで、それが結構長いので、だれる。主要キャラクターが出揃ってきてやっとおもしろくなってくる。
虚実入り混じる君島レポートに関してはよかった。何が事実で何が嘘で誰が黒幕なのか、そこらへんをミスリードも仕掛けつつあやふやにしたまま話を進めていくのはお見事。
欲を言えば、ラスボス倒してはい終わり、ではなく、ちゃんとした後日談(特に愛理ちゃんの)があるとよかった。消化不良気味。……ファンディスク用に温存してんのかね。
しかしJAXA的にこの話はOKだったんだろうか、宇宙センターを占領されてロケットを広域破壊兵器として利用されそうになってしまってるわけだが…

非常にクセのある、人を選ぶキャラクター揃い。海翔は最初から最後まで格ゲーオタだし、あき穂は空気が読めないし、フラウは2ちゃんねらーだし…まあ、各自それぞれちゃんとバックボーンがあるので、理解は出来るのだが。
特に主人公の海翔のキャラは基本的には最後までブれないので、駄目な人は最後まで駄目かも。西條拓巳とはまた違うタイプの変人。ここらへん、岡部倫太郎はよく出来ていたなあと思わされる。彼は変人の皮を被った真人間だったので、感情移入もしやすかった。
あき穂は基本(ロボのこと以外は)アホの子なのに「モノポール」を知っていたのは違和感あり。フラウはちょっとどもりすぎ。キャミソールがエロい。愛理はもうちょっと掘り下げてほしかった。

  • システム

ゴミクズ。
3Dキャラクターの動きが冗長。モーションが終わってから喋りだすので、テンポが悪くなっている(昴が顕著だったかな)。動いてる途中で会話送りするとモーションがブツ切れになるのも違和感あり。3Dモデル自体は悪くはないが、もはや目新しくもない技術なので、もっとうまくやれただろうと。

ツイぽによる分岐システム、これはまさにこのゲームの癌。まず、メニューを開いて実際に見に行かないとツイぽが更新されたかどうか分からない。これにより既読スキップが非常にやりずらくなっている。まあ、画面右上でアイコンがくるくる回ってる時は大体更新されてるんだが、そのタイミングで自動的に既読スキップOFFにはならないので、場面転換毎に既読ON/OFFを手動で切り替える作業を強いられる。さらに特定の場所(病院内とか)ではポケコンを開けなかったり、右上がクルクルしてるときはポケコンを開けかなったり、開こうとしても開けないタイミングがちょこちょこあるので鬱陶しい。
分岐条件も結構シビアで、初回プレイで適当にやっていたら愛理ルートしか解放されなかった。愛理は、質問に対して正しい答えを選んでいけばいいので迷うことはないのだが、淳和とフラウを一発で解放させるのは結構難しいんじゃなかろうか。上述のように既読スキップがほとんど機能しないこともあり、私は諦めて攻略サイト見ました。

そもそもこの分岐自体が取ってつけたようなもので、元々一本道の話を無理やりぶつ切りにしているにすぎない。1章〜5章までが共通ルートで、6章が淳和、7章がフラウ、8章が愛理のルートとなっているわけだが、章番号で明らかなように、これらは時間的に連続している。最初に愛理ルートが解放されたからそのまま8章(愛理ルート)をやりはじめると、華麗に6章あたりのネタバレを食らう。また、細かいことだが、このブツ切れ分岐によって、6〜8章では、持っているはずの君島レポートが参照できない。もはや「分岐させるための分岐」であり、意味がないどころか害しかない。
なんというか、ノベルゲームにおける「システム」の役割を完全に履き違えているように思える。没入感を阻害し、シナリオを台無しにするシステムなら無い方がいい。

一応、登場人物のつぶやきが裏で読めるツイぽ自体は悪くなかった。これをフラグ管理に使ったのがアウトというだけで。

キルバラのコマンド入力はさすがにヌルゲーすぎる。制限時間が長すぎるので、ゆっくり丁寧に入力すればノーミスクリアは楽勝。トロフィーつけるならもうちょっと歯ごたえあってもよかっただろうと。
終盤のあき穂との対戦で海翔に「わざと負けさせる」ところはよかった。普通にやれば負けないけどあえて負ける、主人公とプレイヤーのシンクロね。まあわざと負けるのがいいのかという話はともかく。ここは海翔の唯一の「成長」とみなすことはできる。

君島レポート探しは、ハマると本気で長時間探し回るハメになるので、ヒント機能ぐらいはつけてほしかった。歩き回り続けるとゲジ姉が場所絞ってくれるとかさ。

  • 総評

シナリオは、人を選ぶだろうけどおもしろかった。しかしシステムが最悪。新しいことをやろうとするのは悪いことではないが、ユーザの方をまったく見ておらず、結局ただの独りよがりになってしまっている。
アニメに期待します。