2012年 最終戦 ブラジルGP

20戦お疲れ様でした。


アロンソ終戦ベッテルがスタートで接触して最後尾まで落ち、アロンソが3番手まで上がったときは、これは!と思いました。終盤、ヒュルケンベルグとハミルトンが接触して後退し、アロンソが2番手まで上がったときは、これは!!と思いました。だが、奇跡はそこまで。後ひとつ、最後の奇跡は、起こらなかった。最終的にはアロンソ2位、ベッテル6位でフィニッシュし、わずか3ポイント差でアロンソの逆転はならず。2012年シーズンはベッテルの3連覇で幕を閉じました。

一方、マッサは5番手スタートから一気に2番手までジャンプアップするという超スタートを見せ、アロンソにポジションを譲るついでにウェバーも道連れにし、コース上でベッテルを抜き、最後は再びアロンソにポジションを譲り、アロンソの後方3位で表彰台を獲得した。すごすぎる。褒め言葉になっていないが、ここまで完璧なセカンドドライバーは見たことがない。来期こそ、開幕からペースを発揮してもらいたいところだ。

で、ブラジルGPを制したのは、雨絡みのレースではめっぽう強さを発揮するバトン。今回も完璧なタイヤ選択と安定したレースペースを見せ、今期3勝目を上げた。今期はハミルトンの影に隠れてしまった印象だったが、最後にワールドチャンピオンの意地を見せた。ペレスをチームメイトに迎える来期はどうなるか、興味深いところだ。

もう一人、雨の中で強力なパフォーマンスを見せたのがニコ・ヒュルケンベルグ。ほぼ勝っていた。デブリ掃除でSCが出動するまではバトンを従えてトップを快走していたし、ハミルトンに仕掛けてバランスを失い接触するまでは、素晴らしいレースを展開していた。フォースインディアのマシンでマクラーレン2台とがっぷり四つの戦いを演じたというのが何よりすごい。一昨年にウィリアムズで初ポールを獲得したのも、雨のブラジルだった。彼が「勝てるドライバー」ということは、もはや疑う余地もない。そんな彼の唯一の不安要素は、来期ザウバーに移籍するということだ……

可夢偉は、チャンピオン争いを繰り広げるベッテルアロンソを連続でオーバーテイクするという見せ場を作ったが、最終的にいつものようにピットに足を引っ張られた。ザウバーメルセデス逆転はならず。とはいえ、可夢偉もまた、将来有望なドライバーの一人であることは間違いない。なんとか来期のシートを掴み取ってもらいたいところだ。

ペトロフは荒れたレースも奏功して11位でフィニッシュし、コンストラクターズランキング10位の座をマルシャから見事に奪回した。おめでとう。コバライネンの来期ケータハム残留が不安視されていたが、これで状況が好転するだろうか?しかしその場合、ピックのケータハム入りは既に決まっているため、立役者のペトロフはシートを失う可能性が微レ存…?

ライコネンは、袋小路に迷い込んでUターンしていた。まるで乗用車のようにF1マシンを操っていた。彼もまた、ワールドチャンピオンの一人である。

シューマッハはこれがラストレース。クルマの差はいかんともしがたいが、それでも最後にしっかりポイントを獲得した。7位入賞。来期はもうシューミがいないというのは、寂しい限り。またいつでも戻ってきて幅寄せして暴れて下さい。