2012年 第14戦 シンガポールGP

2時間耐久ナイトレース。

明らかに最速のマシン。ベッテルとの一騎打ちを制したハミルトンがポールを獲得し、レースでもそのまま勝つかと思われたが、ここにきて痛恨のマシントラブルが発生、25ポイントを喪失し、アロンソに3ポイントを献上した。バトンはうまくタイヤを労わりながら走り2位表彰台。

ベッテルは予選で唯一ハミルトンに対抗できる速さを見せていたが、Q3でアタックに失敗し、伏兵マルド師匠まで現れて3番手に甘んじる。しかし決勝ではそのフロントロー二人がいなくなったこともあって、危なげなく勝利を収めた。アロンソとのポイント差を29点にまで縮めている。
一方ウェバーはいつも通り影が薄かった。可夢偉をコース外から追い抜いたとしてペナルティを受け10から11位に降格、1ポイントを失う。

明らかに3番手のマシン。ここでもマクラーレンレッドブルに対抗できず、守勢に回らざるをえなかった。目下最大の脅威であるハミルトンがリタイヤしたことで3位表彰台を獲得できたものの、このままではジリ貧になるのは目に見えている。クルマの戦闘力向上が急務。せめて後1勝は欲しい。
マッサはスタート時にパンクしてピットイン、最後尾からの追い上げを強いられたものの、印象的なレースペースと攻撃的なセナへのオーバーテイクを見せて8位入賞。あとは予選でアロンソと同等のタイムが出せれば文句ないんだが…

  • フォースインディア

ディレスタが予選6番手を獲得し、ハミ、師匠がリタイヤしたことでそのまま4位フィニッシュ。というか今回のトップ4は予選順位そのまま(4人とも2UPでフィニッシュ)である。段々安定したペースを見せるようになってきたインド勢、不安定極まるザウバーをキャッチアップできる日も近いぞ。がんばれ!

ベルギーでフロントローを、イタリアで表彰台を獲得したと思ったら、ここではまったく戦闘力を発揮できず。可夢偉はQ1敗退の憂き目に遭い、決勝でもペレスがなんとか1ポイントを獲得するに留まる。あまりにもアップダウンが激しすぎるため、正直、クルマの実力を引き出せていないとしか思えない。日本GPこそはいいレースを見せてもらいたいところだ。

段々トップ3チームに力負けしてきている印象。ライコネン6位、グロジャン7位としっかりダブル入賞はしたものの、表彰台争いにはまったく絡めず。3勝しているハミルトンよりランキング上位につけたキミは立派だが、さすがにレースに勝てるマシンがなければ逆転チャンピオンは難しいだろう。

  • まとめ

さて、ドライバーズチャンピオンシップは3人のドライバーに絞り込まれたと考えていいだろう。1位アロンソ、2位ベッテル、4位ハミルトン、この3人だ。
面白いのは、クルマの戦闘力的にはマクラーレンレッドブルフェラーリと、現状のランキングとは真逆になっていること。
アロンソとハミルトンの52点差は確かに大きいが、マクラーレンレッドブルがヘマをしなければ、アロンソは4〜5位にしかなれないので、1戦あたり最大15点削られることになる。残り6戦残っていることを考えると、まだまだ何が起こっても不思議ではない。
ライコネンに関しては、現状のフェラーリロータスの戦闘力が同程度であることを考えると、ほとんどミスをしないアロンソを逆転するのは非常に困難と言わざるを得ないだろう。