2012年 第11戦 ハンガリーGP

さて夏休み前の前半戦最後の一戦、ハンガリーGPです。
アロンソは0点でもチャンピオンシップ首位で折り返せることが決まっているわけですが、さてどうなりますことやら。

ハミルトンが予選で圧倒的なスピードを見せつけ、決勝でもロータス2台の猛攻を凌ぎきりポールトゥウィン、今期2勝目をあげた。前半戦は度重なるピットミスに苦しめられたハミルトンだが、純粋に速さを失ったのはイギリスGPぐらいで、今期最も「速い」ドライバーであることは間違いない。マクラーレンのピット作業も改善の兆しを見せており、ここ数戦ではしばしば2秒台のピット時間を披露している。後半戦、ハミルトンが猛威を振るう可能性は大いにあるだろう。

予選さえよければ勝てそうなロータス、グロジャンが値千金のフロントローを獲得するも、ハミルトンの絶対防衛圏は突破できなかった。予選はいいが決勝での安定感がイマイチ。
ライコネンは予選で5番手に甘んじ、さらにKERSトラブルによりスタートでポジションを一つ失ったものの、第2ステイントをソフトで引っ張り2番手までジャンプアップ、その後、最後までハミルトンを追走した。決勝での安定感はさすがだが、予選がイマイチ。

決勝で2台とも変則的な3ストップ戦略を取ったが、機能しなかった。ベッテルは特にダメージなしだが、ウェバーはせっかくアロンソの前を走っていたところでピットインして、わざわざポジションを明け渡した。ありがとうウェバー。
さらに毎戦なにかしらの物言いがつくレッドブル、今回は「パルクフェルメでこっそり車高調整している疑惑」。ベッテルのペースを見る限り、大きな影響はなさそうか?

週末を通して、マクラーレンロータスレッドブルに対抗できるだけの速さがなかったが、バトンとウェバーが自爆してくれたおかげでアロンソは5位入賞し、チャンピオンシップのリードを広げることさえできた。御の字。
調子のいいレースが続いた後で、前半戦最後に他チームに完全に力負けしたのは、ある意味よかったかもしれない。クルマの戦闘力がまだまだ不足しているということを再認識できたはずだ。後半戦に向けて、一層の奮起を期待したい。

  • ウィリアムズ

ブルーノ・セナが予選で印象的な走りを見せQ3進出、決勝でも堅実な走りで7位入賞を果たした。今期1勝しているはずのチームメイトに5ポイント差まで詰め寄る。そのマルド師匠は今期7回目のペナルティを受けました。

一週間前のダブル入賞から一転、両者ノーポイント。予選で速さを見せられず、決勝でもタイヤがすぐに磨耗した。戦略以前の問題だが、その戦略も別に機能してはいなかった。

  • 前半戦まとめ

開幕7戦で勝者7人と、混沌としていた2012年チャンピオンシップ争いだが、次第に情勢が固まってきている。
ドライバーズランキングは、安定性と一撃性を兼ね備えたアロンソがいつの間にか40ポイントもの大量リードを築き上げており、2位ウェバーから5位ライコネンまでがわずか8ポイント差で2位集団を形成している。この4人がこの後もポイントを取り合うようだと、アロンソにとっては「逃げやすい」展開になるわけだが、2位集団から抜け出してアロンソ追撃に入るドライバーが今後出てくるかどうか。
一方、コンストラクターズランキングは、レッドブルが53ポイントのリードを持ち、その後ろをマクラーレンロータスフェラーリがわずか4ポイント差で追走している。彼らが今期の「4強」であり、後半戦のタイトル争いの中心となるだろう。ザウバーとウィリアムズも彼らと渡り合えるだけのポテンシャルを有しているように思うが、チームの総合力が明らかに劣っている。フェラーリとしては、後半戦、マッサがどれだけポイントを持ち帰ってくれるかが一つのポイントとなるだろう。