2012年 第05戦 スペインGP

3週間の休みとムジェロテストを経て、ヨーロッパラウンドの開始となります。さて、開発競争でうまくやったのはどのチームだったでしょうか。

  • ウィリアムズ

マルドナードがまさかのポールトゥウィン。今期5人目となるウィナーの仲間入りを果たした。ハミルトンの予選失格に助けられた部分もあるにせよ、予選・決勝とも安定して速かった。今期は元々印象的なペースを見せてはいたが、まさかここまでとは。一方、セナは対照的にボロボロな週末を過ごした。

アロンソが2位表彰台。スタートでトップに躍り出るも、レースペースで若干ウィリアムズに及ばず、マルドナードの後塵を拝した。とはいえ、これまでに比べれば予選・決勝とも他チームと戦えるレベルになっており、フェラーリ復権も十分期待できる。チャンピオンシップでもベッテルと同ポイントで首位に。一方、マッサは対照的にボロボロな週末を過ごした。

ライコネンが3位、グロジャンが4位と、ここでも2台揃って安定したペースを見せた。今期はこれまで5チーム5人の勝者が出ているが、ロータスは6番目の勝利チーム筆頭候補と言える。ただしタイヤのライフに関して、他チームの戦略を完全に読み違えており、無線で世界に恥をさらすことに。適切なピットストップができていればライコネン2位も十分ありえただけに、もったいない。

可夢偉が5位入賞。積極的なオーバーテイクで見せ場を作った。元から素性のいいクルマだったが、開発競争でも遅れを取るどころか一歩先行した印象。すべてが何ごともなくうまくいけば表彰台も十分ありえる程度には速いのだが、なぜか毎回何かがうまくいかない。いくらクルマが速くても、全てをまとめあげる力がなければ、トップチームの仲間入りは難しい。ペレスはスタートで左リアがパンクし緊急ピットイン、さらに2回目のピットでトラブってリタイヤ。

ベッテルが6位、ウェバーは11位。どちらも週末を通して力強いペースを発揮できなかった。フロントウィングに問題を抱えていたようで、ピット中に双方ともフロントウィングを交換している。ベッテルは黄旗区間で楽しそうにDRSを作動させ、黄旗無視でドライブスルーペナルティを受けた。ウェバーは連続4位入賞を途切れさせた。

ロズベルグが7位、シューミは序盤でセナに追突しリタイヤ。いつものようにレースペースが無かった。中国GPのことはもう忘れたほうがよさそうだ。セナとの接触はレース後審議となっており、シューミはかなりご立腹だったが、彼が完全に真後ろから追突した形なので…
(追記)その後、シューミは次戦で5グリッドダウンのペナルティが確定。とはいえ、リプレイを見るとセナもフラフラしてはいたので、なんとも。

ハミルトンは予選で2番手に0.5秒もの差をつけマクラーレン150回目のポールを奪取したかと思われたが、チームが燃料搭載量を少なくしていたことにより予選失格、最後尾からのスタートを強いられた。それでも2ストップ戦略で追い上げ、なんとか8位まで戻ってきた。2ストップを取ったのはハミルトンのみ。予選でタイヤを消耗していたことを考えれば、よくがんばったと言っていいでしょう。週末を通して彼が最速だったのはおそらく間違いないが、マクラーレンは今回もピットでトラブっており、どうも完全に歯車が狂ってしまっているように思える。ハミルトンが笑顔を取り戻すのはいつの日か。バトンはまったく元気がなく9位。

  • 勢力図

マクラーレンレッドブルロータスメルセデス・ウィリアムズ・ザウバーフェラーリ>その他

これはひどい勢力図ですね。でももう、こうとしか言いようがない。コース特性、コンディション、そしてタイヤの理解によって、レース毎に力関係がガラリと変わってしまう。ここまで来ると、次戦で可夢偉が優勝したとしても驚きではない。というか、純粋にクルマの出来だけでいけばロータスザウバーが一番っぽいので、遠からず彼らからも優勝者が出てきそうだ。
一応、前回から考えると、ウィリアムズ、ザウバーフェラーリアロンソ)が一歩前進したように思える。


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