ダン・ウェルドン選手の事故死について

US-RACING ダン・ウェルドン特別レポート
http://www.us-racing.net/modules/weblog0/details.php?blog_id=3008

ちょうど昨日、日本時間の月曜早朝に行われていたインディカー終戦ラスベガスの決勝レースで、15台ものマシンが絡む大クラッシュが発生し、ダン・ウェルドン選手が亡くなられました。
心からお悔やみを申し上げます。

僕は琢磨さんが参戦した去年からしインディカーを追っていないので、正直ダンのレースをそんなに多く見たわけではないです。ただ、今年のインディ500に勝って喜びを爆発させるダンや、その後のレースでピットレポーターとして各チームを笑顔で駆け回っていたダンの姿は鮮明に思い出せます。
それだけに、わくわくしながら見ていたレースの生中継中に突然、彼の命が失われたことは、ショックでなりません。

決勝レースがはじまって数周した頃、ちょっとやばいんじゃないかという思いはありました。通常のレースであればスタートしてしらばくすれば各マシンの車間がある程度開くものだと思っていますが、今回のレースでは、事故がおきた11周目までずっと、各車が2ワイド、3ワイド、へたすれば4ワイドで走行を続けるという状況がずっと続いていました。前のクルマがクラッシュしたらほぼ確実に後続が巻き込まれ、多重クラッシュに発展するような状況でした。そしてそれは本当に起きてしまいました。
決勝レースを見るまでは、僕も何も気にせずに「34台のマシンがオーバルでレースするなんてすごいな」というふうにしか考えていませんでしたが、実際のレースは明らかに危険な状況に陥っていたと思います。
ほかのカテゴリーのほかのレースでも、もちろん深刻なクラッシュが発生する危険性はあるし、命を落とすリスクは存在する。ただ、今回のラスベガスは、そのリスクが度を越していたように思えてなりません。

一方で、もう一つ、特筆しておきたいのは、15台ものマシンが絡む多重クラッシュが発生したにもかかわらず、ダン以外のドライバーは深刻な状況に陥らなかった、という点です。(ピッパマンとJRが入院していますが、少なくとも命にかかわるような状況ではないと思っています)
映像を見てもらえればわかると思いますが、クラッシュ時の状況はまさに地獄のようなものでした。それでも15人中14人のドライバーの命は守られた。命の数を数えることなどできませんが、モータースポーツにおいてドライバーの安全性を高めるための努力は最大限に行われてきている、ということは理解されてほしいし、今後一層、安全性の向上にむけた努力がなされていくと思っています。そして願わくば、このような痛ましい事故が二度と起きないようになっていってほしいと思います。