ワールドベースボールクラシックについて

日本が誇る名プレイヤー達がドリームチームを結成して、各国の強豪たちと世界一の座をかけて熱戦を繰り広げる。まさに夢のような話だ。これがおもしろくないはずがない。
WBCは、多くの問題点があったとしても、夢のような話を現実に実行した、記念すべき第一回目の大会だ。開催時期、開催国であるアメリカ有利のリーグ、審判員、果ては世紀の大誤審と、誰が見ても問題だと思う点はたくさんあった。だが、それでも夢のような話は現実に実行されたのだ。


誤審判定をしたボブ審判はこう言っている。
「私を悪者にするなんて全く理解できない。彼らは審判の判定が絶対であるという野球のルールを知らないということだ」


彼が言っていることは間違いではない。今回のルールにおいて、審判の判定は絶対なのだ。一度下されてしまった判定について、試合後にどうこう言っても何の意味もない。議論しなければならないのは、「どれだけ公平性に欠ける判定であっても、審判の判定は絶対である」というルールについてだ。この問題を解決する最も簡単な方法は、判定に対する抗議があったとき、ビデオ録画によるチェックを行うようにすることである。
ボブ審判が米国寄りの判定をしたとか、加齢によるかすみ目でよく見えてなかったとか、そんなことはどうでもいい。やらなければならないことは、第1回のWBCが抱える問題点を解消して、第2回のWBCを開催することだ。今回は見られなかったが、日本対ドミニカ、日本対ベネズエラといった試合も見てみたい。だからWBCをこれ一回きりで終わりにしてほしくない。

次回のWBCは、今回以上の盛り上がりを見せるだろう。より多くの選手が集い、より公正なルールが適用されるだろう。そして審判団の中に、ボブ・デービッドソン審判の姿はないに違いない。


そんなWBCに、私はなりたい。


追記。
これまでで一番感慨深かったのが、準決勝の日韓戦が終わった後に、韓国の人々が言っていたこと。正直、かの国の印象としてはあまりいいものはなかったし、今回の結果でいろいろと悲しいことを言ってるんじゃないかなと思ってたんです。
でも、そうじゃなかった。
もちろん、自国マンセーの頭文字は入ってましたけど、それでも、日本もよくがんばった、アジアの代表として優勝してくれっていう言葉があった。
これがね、胸に来た。もしかしたら、日本の放送局がそういう日本寄りの発言だけをピックアップして放送しただけなのかもしれない。それでも、かの国の人々の中に、日本のことを認めて、応援してくれる人がいるっていう事実があった。
それが分かっただけでも、WBCが開催されてよかったなぁと思えます。


プライドの塊みたいなアメリカと韓国を押しのけて決勝までやってきたんだ。
なら、是が非でも勝ってもらわないと困る。
あさってのキューバとの決勝戦が楽しみです。