WILLCOM端末への買い替えについて

WILLCOM愛用者である私が言うのもなんだが、WILLCOM端末は人に薦められるほどの完成度には到っていない。今回は昨年新しく発売されたWX3x0系を主眼において話を進めたい。
通話エリアはボーダフォンと同等程度だと考えてよいと思う。もちろん、ボーダが入るところで入らなかったり、その逆もあるようだ。人が住んでいるところなら大体入るが、山の中などはきつい印象を受ける。アンテナさえあれば電波は入るので、公式サイトでアンテナの位置を確認されたい。
通話音質がいいという話があるが、京ぽん1を使っているとよく分からない。通話相手が携帯電話だとあまり意味がないのかもしれない。
定額サービス。月額2900円でWILLCOM同士の通話が完全に定額。ただし、周りにWILLCOMユーザがいなければ何の意味もないので注意が必要だ。周りが携帯だらけ、通話はあまりしないという人なら、「つなぎ放題」など通信定額系も考慮したほうがよい。何にしても、月額5000円以下で通信定額にもっていける。メールは送るのも受けるのも無料。プラス300円とか必要ありません。月額料金の面を見れば、他キャリアとの差は歴然としている。
そして端末。これが一番の問題で、基本的な機能については、携帯電話端末の後追いをしているのが現状だ。おサイフケータイワンセグに対応した端末はまだなく、唯一、携帯電話以上と言い切れるのはフルブラウザ機能ぐらい。miniSDに対応したものの、内蔵メモリは5MB程度とまだまだ貧弱。カメラも最大で130万画素と、最近の携帯と比べると見劣りする。それでいて、新規で1万円以上、機種変更で二万円以上払わなければならないのが現状で、コストパフォーマンス的に優れているとは言い難い。
さらにクセのある端末が多く、WX310Kは動画再生やフルブラウザは強力だがJava非搭載で、文字入力に少々難、カメラの画質が独特という弱点を持つ。WX310SAWX310Jは最大の魅力であるはずのフルブラウザ機能がKと比べると弱い。さらにWX310Jはカメラ無しで、指紋認証センサーをタッチパットとしても使う。W-ZERO3に到っては、もはや電話というよりPDAと言ったほうがよい。
もちろん、通信部分だけをとりあげて見れば、WILLCOM端末は非常に魅力的となる。回線速度が64〜128kbpsと低速ではあるが、一般サイトを見るのに耐えられないというレベルではない。
PCとの親和性も高い。どの端末もUSBで簡単に接続でき、miniSD搭載機はそのままマスストレージにもなる。USBから電気を取って充電も可能だ。さらにUSBでPCと接続すれば、そのまま通信端末になり、PCからPHS通信を行うことができる。「PCに繋いでPCで通信」が定額でできるのは、今のところWILLCOMだけだ。
つまるところ、どの端末もコレという弱点があって、無条件に人に薦められるような端末が、今のところ、ない。参入しているメーカーが少ないこともあって、新しい端末が発売されるタイミングも遅い。通話エリアもaudocomoと比べると弱いのは確かだ。
このような弱点を理解した上で購入されるのなら問題はないのだが、一般の人が話題性だけでW-ZERO3を購入し「なんだこれ使えないじゃないか」ということになりかねないのが今のWILLCOMだから困る。
個人的には携帯電話との併用、二台持ち、いわゆるダブルホルダーをおすすめしたい。特にW-ZERO3は電話には大きすぎるため、二台持ちでないと辛いだろう。携帯電話の方を月額3000円以下の通話専用プランに替え、WILLCOMの方を月額4000円程度(A&B割適用)のつなぎ放題など。一度二台で使ってみて、WILLCOMダメならPHSを解約、良ければ携帯を解約して、最終的に一台に持っていけばよいだろう。
もちろん、周りにWILLCOMユーザがいたり、特定の相手とかなり電話するような場合には、月額2900円で通話定額、および月額5000円で通話&通信を定額にしてみてもよい。


ぶっちゃけボーダフォンLOVE定額とかやってる人には、凄い勢いでWILLCOMを推したい。
audocomo使ってる人にはちょっと推しづらいかな……


あと、気になるのは今後の動きで、携帯キャリアが通話完全定額や通信定額代の引き下げ、PCに繋いでの高速無線通信を定額、など行ってきた場合、WILLCOMは死にます。
そう簡単に実現できるなら去年のうちからやっていたと思うが、今年、来年当たりにどうなるかはまだまだ分からない。WILLCOMの方も通信速度の高速化、エリアの拡大化を進めているので、これはまさしく時間との勝負。どうなるか楽しみだ。