フランダースの犬(アニメ映画版)

http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD29815/
http://www.sankei.co.jp/mov/review/97/0312flanders.html
見ました。最初の方はFLASHで遊びながら適当に見てました。
本当にすいませんでした。
以下ネタバレ感想。ちなみにアニメ版のほうは見たことありません。
まじめに見出した頃には大家のハンスさんがすごい勢いでネロを敵視していたのですが、一体彼に何があったのでしょう。アロアのパパに取り入るためにネロを悪者にしようとしたのだろうか。あまり効果がないように思える。風車燃やしちゃったときはしょうがないが。
ネロもちゃんと「風車が燃えたのはハンスさんの仕業じゃ」って言わないと!ああ、もどかしいこの気持ち。何も言えずにダッシュで逃げちゃうとは何事か。他にも、賞に出した自分の絵が大賞を取ると信じて疑わないし!お前はそんなに自分の能力に自信があったのか!大賞が自分でないことを見て愕然とするときのCGの使い方はおもしろかった。サイ(ガンダムSEED)の「ガーン!」に匹敵するね。97年の作品にしてはCGの使い方がうまい気がする。ラストの死亡シーンのCGもきれいだったし。
死亡シーンといえば、ラストにいたるまでの展開には涙が止まらなかったものの、最後の天使光臨シーンではあまり泣けなかったなぁ。ネロはもうちょっと生き汚くなってほしかった。ルーベンスバリチェロの絵を見ただけで人生満足するとは何事か。パトラッシュもちゃんとアロアに預けてから死ね!・・・おほん。しかし無一文でフラフラ歩いてたネロが道端でアロアパパのお金を拾って、まったく手をつけずにお届けしたシーンはグッときた。パトラッシュを生かすためにあえて自分を犠牲にするところ(アロアの屋敷を一人でこっそり出て行くところね)も。こういう高潔な人間性を見せられると弱い。邪気がないというか。人間賛歌。
アロアパパもいい感じに親バカで(これは映画オリジナルらしい)素敵だった。そりゃあ娘と小汚いネロとが好き合ってるとか普通は認められんわ。ネロがお金を届けたことを知ってからはなんか改心するし。ネロを追い出したハンスさんを非難してから、そういえば自分も同じようなことをやってたことに(たぶん)思い当たって、しょんぼりしているさまが素敵すぎ。この映画の中では彼が一番好きだなぁ。
この話、ネロが死なずにうまいことやっていけるようなフラグはいろいろと立ってる。絵の才能、アロアとの関係、アロアパパのお金、非常食としてのパトラッシュ。でもそういったものには見向きもせずに、ただルーベンスの絵を見るだけで満足してる。それはそれで綺麗な純粋な生き様ではあるけれども、へたすると汚く生きるよりは綺麗に死んだ方がいいって言ってるようにもとれる。「僕なら諦めますね。美しく」「自殺を肯定するような表現は絶対に避けたかった」という監督の話にも頷けるものがあった。とはいえ、現実に、綺麗なまま生きていくのは不可能に近いわけで、ネロが助かって終わるエンドというのは偽物っぽいというか、一気に子供向けっぽさがアップするので、やっぱりネロは死ぬしかないな、と思う。こういうとき、直接的に死亡描写しない方法は便利なんだなぁと思った。生きていては成り立たない。でも死んでしまうのは可愛そう。それらをうまく折衷する感じ。
最後に、エンディングテーマの「When I cry」(でいいのかな?)は破壊力抜群。大人になったアロアが今でもネロを想っている、その心情が気持ちよく歌詞になってます。いい歌詞だこれは。この主題歌だけで泣けます。泣きました。
本当に、最初からまじめに見てればよかった!