2012年 第18戦 アブダビGP

残り3戦。


ライコネン復帰後初優勝!復帰初年度から非常に安定したレースペースを発揮し続け、今回ついに巡ってきたチャンスをしっかりとものにした。ハミルトンがトラブルでリタイヤしてからは完全にレースを支配した。さすがワールドチャンピオン、勝ち方というものを知っている。終盤のライコネンアロンソのバトルは、2005年を思い起こさせた。

ハミルトンは予選でただ一人レッドブルを圧倒しポールを奪取、まさしく「最高ではないマシンに乗ってレースに勝てる唯一のドライバー」。決勝でもそのまま勝利するかと思われたが、またしても途中でマシンが音を上げた。燃圧の問題によりリタイヤ。今期のマクラーレンのふがいなさを見れば、ハミルトンの来期移籍も仕方ないと思えてくる。

アロンソベッテル予選失格という千載一遇のチャンスでしっかりと2位表彰台。可能であればライコネンをパスして優勝が欲しかったところだが、フェラーリのクルマを考えればここが限界か。レースペースはともかく、予選で7番手が非常にまずい。

ベッテルは予選後の残燃料不足により予選失格となりピットスタート、さらに想定外のピットストップによりレース途中で再び最後尾まで戻されるも、そこから一気に3位表彰台まで駆け上がった。対アロンソの失点をわずか3ポイントに押さえ込む。恐るべしベッテル、恐るべしニューウェイ。レースが荒れに荒れたことも幸いしたが、それにしてもあまりにもクルマの性能が違いすぎる。

可夢偉は荒れたレースでしっかり走りきり6位入賞、値千金の8ポイントをザウバーに持ち帰った。メルセデスとの差はこれで12ポイント。残り2戦での逆転は十分可能な数字だが、問題は相方のペレスがまったくポイントを持ち帰る気がないということ。ペレスは今回もポイント圏内を走行しながら、不用意な動きで他車と接触、ストップアンドゴーペナルティを受けノーポイントに終わっている。

可夢偉の後ろでフィニッシュしたのはフェリペ・マッサ。レース中盤のウェバーとのバトルでスピンを喫したのがお粗末だった。ウェバーの動きは確かに褒められたものではないが、だからといってそこでスピンするなと言いたい。フェラーリのターゲットはウェバーではなくベッテルであり、マッサのスピンによってベッテルは労せずしてポジションを上げることができた。
とはいえ、マッサはこれで8戦連続入賞、ドライバーズランキングでもニコとグロジャンを抜いて7位にアップした。


ドライバーズランキングは、ポイント的にも、クルマの性能としても、明らかにベッテル優勢だ。残り2戦で10点差は、数字以上に大きく圧し掛かっている。アロンソの逆転優勝は現実的には非常に困難と言わざるを得ないが…

コンストラクターズランキングは依然としておもしろい状況。メルセデスザウバーの5位争いはいよいよ白熱してきた。さらに、2位フェラーリ340点、3位マクラーレン318点、4位ロータス288点と、ここもワンチャンスで引っくり返る可能性が残されている。

残り2戦、どうなるか様子を見よう。